山は遠かった(Day11)―Khutumsang to Chisopani
2014-01-14


まだ陽があるのでトレッキングシューズや靴下を干し、食堂に降りていくと、ラジューくんがさっぱりした顔で現れ、“髪を洗ったけど、お湯が熱くなかった”というので、“何しろここはチソパニだからね”と言ったら、びっくりしていた。チソパニとは“冷たい水”という意味だと彼に教えてもらったばかりなのだ。
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ロッジには日本人の女性2人組がいて、ガイドからネパール語を習っていた。スイス人グループが現れないので不思議に思っていたら、彼らは隣のロッジに泊まったそう。彼らのガイドが、自分のゲストは若くて体格がいいのに、私が歳のわりに足が速く、なかなか追い越せないと言っていたとラジューくん。“なぜ彼が私の歳を知ってるの?”と聞くと、“僕が話しました”。そういえばクトゥムサンのロッジでストーブにあたりながら二人で何やら話していたが、あの時か。クソ。口の軽い奴め。
これがトレッキング最後の夜なので、ラジューくん、ゴレくんとビールを飲みながら話をした。ラジューくんは24歳、生まれはインドだが、クーンブ地方(ルクラのそば)で育ち、14歳からおじさんに連れられて山登りを始めたそう。夢は8000m峰に登ることと言う。以前はアメリカ人やドイツ人がよく利用する会社でガイドをしていたので、英語が上手い。今回、彼との会話はすべて英語を使った。ゴレくんは21歳で、このトレッキングを最後に来月からマレーシアに出稼ぎに行くそう。ネパールの青年は真面目で働き者だし、彼は小柄ながらポーターをするくらい体が強いけれど、それでも異国の生活は大変だ。まるで母親のような気持ちになって前途の幸運を祈った。

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[trek2013]

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