12月16日、3時30分起床。テジくんが“眠れましたか”と聞くので、“あんまり”と答える。実は2度もトイレに起きてしまった(星空が最高だった)。テジくんも、目覚まし時計の調子が悪く、気になって眠れなかったそうだ。夜中に吹きまくっていた風は少し収まっている。4時にベジ・ヌードル・スープで朝食、4時45分に、まだ暗い中をヘッドランプをつけて歩き始める。自分の限界を知っているので、今日は最初からテジくんにザックを持ってもらう。
道は私の苦手なモレーン登りだが、隊商が通るくらいで、チョラ・パスほどワイルドではない。ただ、暗いので足下が見えにくく、すぐ息が切れ、気持ち的にも暗くなる。ロンリー・プラネットには“フェディから峠まで3〜5時間だが、高度と多くの偽のピークに惑わされ、永遠に登り続けるような気になる”とある。6時半頃、夜が明けて明るくなり、ようやく辺りの様子がわかってくる。
7時すぎ、左手に石造りの小さな建物が見えてくる。道が少し広がったところまで来ると、テジくんが“峠に着きましたよ”と言う。“え、ここが?”。ハイ・キャンプから2時間半(ロンリー・プラネットの設定では2時間15分)、着いてみると呆気ない気もする。小さな建物は“驚くほど高い”と揶揄される(紅茶1杯100ルピー)峠の茶屋。私達の他には誰もおらず、ただ山があって、風の音がするだけ。
テジくんがプレイヤーフラッグの山をかきわけると、下から峠を示す碑が出て来る。やっぱり、ここがトロン・パス(5416m)だ。3人で記念写真を撮りまくる。
ハイ・キャンプで、茶店は2週間前から休業中と聞いたテジくんが用意してくれた温かいお茶を飲む。さすがに寒いので、十分写真を撮ったら、さっさと下る。
すぐ高度差1600mあまりの下りになる。ムスタン郡に入って山の景色が一変、下るにつれて、はるか南方にダウラギリ(8172m)が見えてくる。ロンリー・プラネットには“様々な理由から下りは登りよりハード”とあるが、私はやっぱり下りの方が好きだ。
前方に隊商の荷からこぼれたらしい穀物を食べている鳥(ウズラっぽい?)の群れを発見。近づくと飛んでいってしまった。
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