12月17日、6時20分起床。トレッキングが(文字通り)峠を越したので、今日から日程もゆるめに。宿の建物の中に水道があるので、顔を洗ったり、コンタクトレンズを入れたりするのが俄然楽になる。7時30分、チベッタン・ブレッドとマーマレード、ミルクティーで朝食、8時に出発。今日からサーキットの後半、ロンリー・プラネットではパート2として別扱いになっている残りの半周を7日間かけて下って行く。
一般的に、ムクティナート(3798m)からジョムソン(2743m)へは、地球の歩き方に“歩けば6時間、ジープなら1時間半”と簡単に記されている渓谷の南側のルートを下るのだが、トレッキング中、暇に任せてロンリー・プラネットを熟読していた私は、砦の村ゾンを通ってカクベニへ下る北側のルートがあることに気づいた。このルートはアッパー・ムスタンに属するため、通るには特別なトレッキング許可証が必要だが、ロンリー・プラネットには、いずれ制限区域から外される可能性があるので、ACAPに確認するように、とある。昨日テジくんに確認してもらったところ、ACAPのオフィスは金曜で午後から閉まってしまったが、ロッジの人達が“許可なしで行ける”と言うので、北側のルートを試すことに。
ラーニパウワから、いったんムクティナートへ戻り、途中から左折。30分ほどで200年前に建立された密教のお寺チョンカル・ゴンパに到る。そこから小さな村を通り抜け、ゾン・コーラに掛かる吊り橋を渡り、渓谷の北側に出て、しばらく行くと、丘の上に崩れた遺跡とゴンパのある村が見えてくる。ここがゾン(3580m)で、遺跡が村の名の由来となった砦(ゾン)である。
渓谷を下り、村に入っていくと、村人がびっくりしたように、こちらを見る。手を合わせて“ナマステ”と挨拶すると、手を合わせて挨拶を返してくれる。ロンリー・プラネットによれば、ロッジが1軒あるそうだが、トレッカーは、まだそれほど来ていないようで、観光ずれしていない、まるで桃源郷のような村である。
禺画像]
アムリットくんを先頭に、村の中心をしめる小高い丘に、どんどん登っていくと、16世紀建立(建物は新しい)のサキャ派のゴンパに着く。テジくんがあちこち探して、お寺の中を見せてもらえることになる。堂内に入ると、修行中の小僧さんがお経を詠んでくれた(仏像は撮影禁止)。
ゾンはその昔、この辺りの都だったそうで、14世紀に造られ、今は崩れたラブギェル・ツェ砦のはんばでない大きさを見ると、チベットとの交易と聖地ムクティナート巡礼の要衝として、かつては、かなり栄えていたことがうかがえる。
セ
記事を書く