12月22日5時起床。5時30分、水筒だけ持って、まだ暗い中をヘッドランプをつけてテジくんと二人でプーン・ヒル(3210m)へ向かう。
6時20分、頂上に着くと、既にかなりの人がいる。プーン・ヒルはポカラから4、5日のトレッキングで簡単に来られるので人気があり、シーズン中は立錐の余地がないほど人で埋まるそう。6時30分頃、空が白み始める。明るくなると、東のマチャプチャレから西のダウラギリ、南の平野部へ360度の展望が開ける。プーン・ヒルのプーンとは、この地方に住む部族の名。展望台はテク・バハドゥル・プーン少佐を記念して建てられたもの(という立て看板がある)。ただ、これだけ高いと、展望台の上でも下でも、見える景色にまったく差はない。茶店もあり、テジくんが温かい紅茶を買ってきてくれる。記念写真を撮ってもらい、戻ろうとすると、昨日シカで別れたガイド二人とばったり。どうやら、ゲストをゴレパニまで歩かせることに成功したらしい。“やったね!”と(ゲスト2人はそっちのけで)4人で握手。
8時にロッジに戻って朝食。チベッタン・ブレッドに蜂蜜をつけて食べていると、近所のおじさんがやってきて、私が日本人だと知って、“Spirit of the world book”という小冊子(↓)を差し出す。話を聞くと、ゴレパニに電気が敷設できたのは日本人の“ジロー・カワキタ”の寄付のおかげで、震災のニュースを聞き、日本のことをとても案じている。ついては、この小冊子に地震を弱める方法が書いてあるので、ぜひ2冊持って帰ってくれ、とのこと。おじさんの言うジロー・カワキタとは文化人類学者で、登山家としても知られる川喜田二郎氏のことに違いない。とても熱心に言うので、断り切れずに受け取っておいた。後で読んでみたら、“神に祈れば地震のパワーを減らすことができる、そのための方法は…”というようなことがネパール語と英語で書いてあり、おじさんは、その宗教団体のゴレパニ支部の人らしかった。
8時30分、出発。登りは昨日で終わったとばかり思っていたのに、これからデオラリ(3080m)までは、プーン・ヒルと同じくらい登らねばならないとわかって、がっくり。森の中を行く道で、歩きやすいが、何しろ、朝プーン・ヒルを往復したばかりなので、がっかり度が高い。
1時間ほど登って丘の上に出ると、向こう側の山のてっぺんにプーン・ヒルの展望台がくっきり見える。だったら、プーン・ヒルに登らずに直接ここに来れば同じことじゃないか、と思う(そうする人もいるそう)。